中村信二さん
先日講演会で聞いた中村信二さんの本を読んでみようと思い買ってみた本です
この本には営業のテクニック的なものは何もなく、営業の王道を書いたもののように思いました
「営業という生き方」の営業をとって「生き方」としても通用する内容です
全体として、生き方、哲学(考えたかの中心)が語られています
忘れてしまったことや、本筋など新たに思い起こさせてくれたとても良い本です
中に「三匹のメダカ」という話がありました
小川を泳ぐ三匹のメダカがいた。流れに負けじと小さな力を精一杯振り絞り小川をところ狭しと泳いでいた。
ある夜、突然の嵐で川はあふれ、三匹のメダカは必死になってその苦境を乗り切ろうともがいていた。
一夜が過ぎて目が覚めたとき、いつの間にか嵐は収まり、ポカポカ陽気の中に大きな水溜りができていた。
なんと運の良いことか!三匹のメダカはその水溜りで命拾いしていたのだ。
「みんないるか?」
「大丈夫みたいだ!」
「良かったな!」
おもいおもいのことばで自分達の無事を喜びあった。
そこは、実に気持ちのいい場所だった。今までの小川とは比べものにならなかった。
水の流れはないし、燦々と照りつける太陽で暖かく、てとても気持ちいい。
「天国だな」
「うん、最高だ」
心から自分達の幸運を喜びあった。
「なぁ、だけどいつまでもここに居ていいのかな?」
一匹のメダカが突然そうつぶやいた。
「なにを馬鹿なことをいっているんだ。ここは俺たちだけのパラダイスじゃないか」
「だけど…、今ならピョンって跳ねれば、そこの小川に戻れるよ」
「行きたきゃ行けよ。俺達はイヤだね。」
二匹のメダカはプイと反対側へ泳ぎ去っていった。
「待ってよ!ねえってば…。僕は戻るよ、さよならだよ。聞いてるの!」
二匹のメダカは、そんなことばを無視して泳ぎ続けている。
「知らないからね」
そういって一匹だけヒョンと小川に戻っていった。
それから何日かしたとき、やはり別のメダカも戻るといった。しかし、頑として一匹だけは戻らないといい張る。
一緒に戻ろうよと誘っても着いてこない。
仕方なく、二匹目のメダカもピョンと元の小川へ戻っていった。
「バカだなあいつらは。こんなに素敵な場所はないじゃないか。
なのになぜ、あんな水の冷たい流れのきつい小川がいいんだろう…」
そうつぶやきながら、水溜りの中を悠々と遊びまわっていた。
それから何日か過ぎたある日、水溜りは蒸発し、一匹のメダカが日干しになっていたそうだ。
この話を読んで、「ワイルドダック(野鴨の哲学)」を思い出しました。
私がこの話を聞いたのは行徳哲夫さんの講演を聞いた時でした。
慣れとは恐ろしいものだと感じたのもですが、すっかり忘れていました。
デンマークのジーランド地方の古城を映す湖には
毎年鴨が飛んでくる
そこには餌をいつも用意して待っていた老人がいた
いつしか鴨たちは食べ物に恵まれて
次の湖へ飛び立つ必要がないと思い
そこに住み着いてしまった
しかしある年、その老人が死んだ
餌をもらえない鴨たちは、自分で餌をさがし、
次の湖へ飛び立たねばならない
しかし飛べない
なぜなら、野生を無くしてしまった鴨たちは
まるでアヒルのように肥え
はばたいても飛べなくなっていたのだ
あの何千キロにもわたって飛べる鴨が…
そして、そのとき
春の雪解けの濁流が湖に流れこんできた
なすすべもなく押しながされてしまった鴨たちは
全部死に絶えてしまった
これが哲学者のキェルケゴールの「野鴨の教え」です。
「ワイルドダックス」はIBMの合言葉となったそうですよ。
企業の生き残りも「適者生存」です
2015年4月11日 8:46 AM